用語の説明
真太陽時:なぜ時計の時刻を使わないのか
結論から言うと、真太陽時とは、太陽の実際の位置から求めた時刻で、スマートフォンに出ている時刻とは違います。奇門遁甲の「時辰」—— 二時間ごとの区切り —— は、この真太陽時で数えます。
どれくらい違うのか。東京では、太陽の方が時計より約5分から約35分ほど先を行きます。どれだけ先かは日付によって変わります。わずかに思えますが、時辰の区切りは決まった時刻にあるので、この程度で隣の時辰に入ってしまいます。時辰が変われば、盤も変わります。
一つ目の違い:時計は国全体で共有、太陽はそうではない
日本の時計は東経135度、明石を通る子午線に合わせてあります。全国どこでも時計は同じ時刻ですが、太陽は時計に合わせてはくれません。東京は139.69度、少し東にあるので、太陽の方が19分先を行きます。この差は変わりません。経度だけの問題です。
| 東京 | 東経139.69° —— 太陽が19分早い |
| 大阪 | 東経135.5° —— 2分。ほぼ明石の子午線の上 |
| ソウル | 東経126.98°で時計はUTC+9 —— 32分遅い |
| シンガポール | 東経103.82°で時計はUTC+8 —— 65分遅い |
| カシュガル | 東経75.99°、中国は全土がUTC+8 —— 176分遅い。三時間近い |
カシュガルは世界でも極端な例です。中国は全土で一つの時刻なので、朝8時に起きると太陽はまだ午前5時の位置にいます。
二つ目の違い:太陽自身も速くなったり遅くなったりする(均時差)
地球の軌道は真円ではなく、地軸も傾いています。だから太陽は均等には進みません。一年のうちで、平均太陽時より最大でおよそ16分早く(11月初め)、最大およそ14分遅く(2月初め)なります。この差を均時差といいます。
これは推測ではありません。スイス天文暦(Swiss Ephemeris)から取っています —— 節気の境目と同じ出典です。
二つを足すと、一年で30分動く
経度の分は土地ごとに固定、季節の分は世界共通。合わせると、同じ都市の同じ時計の時刻が一年でこう動きます:
| 2月11日 | 東京の午後2時 → 真太陽時14時04分。約5分早い |
| 11月3日 | 東京の午後2時 → 真太陽時14時35分。約35分早い |
二つの日付で30分の開きがあります。そしてこの30分は台北でもソウルでもマドリードでも同じ値です —— 土地の違いではなく太陽の動きそのものなので。普段は何も起きません。問題は時辰の区切りが決まった時刻にあるため、尋ねた時刻が区切りの近くなら、隣に移ります。
隣に移った先は、わずかな差ではなく別の盤
このアプリの計算そのものから出した数字です。2026年11月3日、東京、時計は午前10時25分:
| ✗ | 時計のまま —— 巳の刻、時宮は3宮 |
| ✓ | 真太陽時(11時00分)—— 午の刻、時宮は2宮 |
時宮は読み解きの出発点です。尋ねたことを、どのマスから見はじめるか。3宮から2宮に動けば、盤全体の中心が別の場所に移ります。
ところが2月の朝なら、同じ10時25分はどちらで数えても同じ答えです —— 何も変わりません。つまり「いつも大きく違う」のではなく、日付次第。関係ない日もあり、別の盤になる日もある。だから省けないのです。
このアプリの扱い:入力した場所は自動で真太陽時に換算され、読み解きの画面に何分補正したかがそのまま出ます。見えるようにしてあります。特定できない場所は時計のまま計算します —— 推測は行いません。盤を立てる:その盤はどう求めるのか
多くの記事が逆にしている点:節気に真太陽時を使ってはいけない
節気(立春や秋分)は「ある日」ではなく、ある一瞬です。地球が決まった角度まで来た、その瞬間。それは地球全体で同じ一瞬で、見ている場所とは関係ありません —— 日食の時刻が東京とマドリードで違わないのと同じです。
だから節気を調べる前に時刻を真太陽時へ直すと、節気の境目が経度に引きずられて動きます。2026年9月28日に測りました:その方法だと、台北では一年におよそ204分が誤った節気として扱われ —— そしてその数分の中では、陰遁・陽遁、局数、盤全体が変わります。
- 節気:本当の一瞬で読む(時間帯を正しく換算するだけ)。補正しない。
- 時辰・日柱・符頭:真太陽時で読む。補正する。
今のアプリはこう分けてあり、この一点だけを確認するテストを置いています。うっかり元に戻されないように。
正直な限界:場所が特定できないときは補正を一切しません —— 場所を空欄にしたのと同じ結果です。端末が座標しか出せず地名が引けないときは、時間帯を経度から推定するので一時間ずれることがあります。どちらも、推測しないほうを選びました。
数分で時辰が変わるのなら —— 逆に「良い時を選ぶ」とは、何をすることなのか?時を選ぶ:では、いつ動くのがよいのか
仕組みは分かった。でも自分で盤を立てるのは面倒、という方へ
この三つの手順は、もともと決まった規則の集まりです。千年前は人が頭の中で計算し、師から弟子へ伝えていました。計算はコンピューターに、読み解きは AI に任せます。あなたは迷っていることを書くだけです。
質問を書く奇門遁甲は中国に伝わる、時を選ぶための考え方です。このページは知識の紹介であり、医療・法律・金銭に関する助言ではありません。結果がこうなると告げるものでもありません。